辻村史朗 略歴
辻村史朗のバイオグラフィー。奈良の山中で独学で山を切り開き、家をたて、窯を築き、作陶を始める。辻村史朗のものづくりは、作陶という枠には収まらない。絵を描き、書を書き、家を建て、日々の暮らしを営む山全体をデザインする。
辻村史朗 略歴
Shiro Tsujimura BIography
辻村史朗は奈良の大自然の中で、日々物づくりと向き合っている。土を捏ね、ロクロを回し、焼く。キャンバスに絵を描き、墨をたっぷりと含んだ筆で紙の上に描く。師は持たず、ただただ今も昔も人が美しいと思うものを作りたい。その一心である。
焼物を焼けば、日本の歴史上比類なき作陶家の一人であることは広く知られている。油絵も、画家を自称する多くの人たちよりも、はるかに沢山の絵を描き、どの書家よりも多くの墨と紙を使う。30歳を前に自ら建てた寺の廃材を利用した家は、世界中の建築家が見学に訪れるほど人々に愛されている。近所の肉屋で自ら目利きした肉を焼けば、世界の一流料理人たちが目を丸くする。勲章や人間国宝といった名声にも興味はなく、師匠もいなければ、弟子もいない。二人の息子である唯(長男)と塊(次男)が父の姿をみながら学んだだけである。例外として、細川護煕は押しかけで辻村からロクロを学んだ。昨日よりも良いものを作りたい。そんな思いが辻村を突き動かしている。
辻村史朗の暮らし、生き方そのものが人々を魅了する。
年表
1947年
奈良県御所に4男として生まれる。高校時代までをこの地で過ごす。1965年
美術大学に学ぶために東京に上京。受験のために石膏デッサン、スケッチなどに励むが受験勉強に興味を失い受験を断念。一方、画家(油絵)を志す気持ちは高まる。高名な画家の名を美術家名薄等で無作為に選び出し、弟子入りを乞うが、門前払いとなる。 東北地方に旅した後、東京に戻り、日本民芸館で偶然に大井戸茶碗に出会い、深い感動を受ける。1966年
19歳から21歳までの3年間、奈良にある禅寺三松寺(曹洞宗)に住み込んで修行。1968年
実家に戻り父親の家業である牧畜を手伝い、独立するための資金をつくる。依然画家を目指してはいたものの、次第に油絵の具の質感に対して違和感を覚えるようになる。同時にやきものの持つ静かな肌合いにひかれるようになり、夜はリヤカーなどの車輪を利用して作った自作のロクロで茶碗、花入れなど手当次第に轢く。1969年
三枝子さんと結婚。作った焼物を京都の門前などにござを敷き売りながら生計を建てるようになる。
1970年
奈良水間の山中に土地を求める。2ヶ月を費やし独力で家を建てる。材料は民家などの古材、廃材を使用。家を建てると同時に自宅の周辺に次々と窯を築く。窯の数は全部で7つを数える。1975年
長男、唯誕生1976年
次男、塊誕生1977年
30歳を区切りに、奈良・水間にて初個展。会場は自宅、友人、知人にカタログを配付。カタログは紙を束ねて和綴じにし、自分で写した作品のスナップ写真を貼り付けた簡単なものであった。 この初の個展は大成功であった。1978年
4月、三越(大阪)にて個展(初回)。古美術商 故近藤金吾氏の眼にとまる。
1980年
5月、三越(大阪)にて個展(第2回)。1981年
北条羅漢を見に加西市(兵庫県)を訪れ、感銘を受ける。以後羅漢 は主要なモティーフとなり、画や釘彫り花入れなどに描かれるようになる。12月、ヤマハ・ギャラリー吉祥寺(東京)にて初の絵画展(初回)。
12月、三越(大阪)にて個展(第3回)。
1982年
7月、ギャラリー・和知(東京)にて絵画展。 故近藤金吾氏の店(京都)に作品を持参した際、たまたまそこに居合 わせた故荒川豊蔵氏に作品を絶賛される。1983年
1月、東京・日本橋三越本店にて個展。(以降、隔年)
2月、名古屋・松坂屋本店にて油彩展。1984年
名古屋・丸栄にて陶展(隔年八回)。
MOA美術館に粉引茶碗50盌を寄贈する。1985年
1月、東京・日本橋三越本店にて個展。
11月、大阪・阪急百貨店梅田本店にて陶展(以降、隔年)。1986年
1月、三越松山店(愛媛)にて個展。(初回)
1月、丸栄(名古屋)にて個展。(第2回目)1987年
1月、三越日本橋本店にて個展(第3回)。10月、ヤマトヤシキ(姫路)にて個展。
11月、阪急百貨店梅田本店(大阪)にて個展(第2回)
クリーヴランド・ミュージアム(アメリカ)作品を買いあげる。
1988年
1月、三越松山店(愛媛)にて個展(第2回)。
3月、丸栄(名古屋)にて個展(第3回)。
3月、丸栄(豊橋)にて個展(初回)。1989年
1月、三越日本橋本店(東京)にて個展(第4回)。
4月、伊藤美術店(名古屋)にて個展(初回)。8月、有楽町阪急(東京)にて「絵の世界展」
11月、阪急百貨店梅田本店(大阪)にて個展(第3回)。
1990年
1月、丸栄(名古屋)にて個展(第4回)。
3月、たち吉本店(京都)にて個展。
5月、丸栄(豊橋)にて個展(第2回)。
6月、久世画廊(岐阜)にて「油彩展」。
6月、美術画廊・美有(姫路)にて個展。
10月、松山画廊(愛媛)にて個展。
11月、阪急百貨店梅田本店(大阪)にて絵画展。1991年
1月、三越日本橋本店(東京)にて個展(第5回)。5月、伊藤美術店(名古屋)にて個展(第2回)。
6月、遊(東京丸の内・パレスホテル)にて個展。スペンサー・ミュージアム(アメリカ)大壺を買い上げる。
1992年
3月、岩田屋(福岡)にて個展。
4月、たち吉本店(京都)にて個展(第2回)。
4月、丸栄(名古屋)にて個展(第5回)。
5月、丸栄(豊橋)にて個展(第3回)。1993年
イギリス・ウエストデボンに窯を建て、ロンドンでの展覧会のために3ヶ月間滞在し作陶する。
岐阜県・久世画廊にて個展
ドイツ・フランクフルトにて、ドイツでは初めてとなる個展をジャパンアートにて開催1994年
ロンドン・ギャラリーベッソンにてイギリスでの初めての個展開催。エリック・クラプトン等が訪れ、多数の作品をコレクションする。ドイツ・フランクフルトにて、ジャパンアートにて個展を開催(第2回)1995年
1月、三越日本橋本店(東京)にて個展(第6回)。
1996年
岐阜県・久世画廊にて個展
東京 遊ギャラリー・パレスホテルにて個展4月、丸栄(名古屋)にて個展(第6回)。
5月、丸栄(豊橋)にて個展(第4回)。
11月、阪急百貨店梅田本店(大阪)にて個展。1997年
1月、三越日本橋本店(東京)にて個展(第7回)。
たち吉本店(京都)にて個展(第3回)。
1998年
4月、丸栄(名古屋)にて個展(第7回)。
5月、丸栄(豊橋)にて個展(第5回)。
11月、阪急百貨店梅田本店(大阪)にて個展。1999年
裏千家茶道資料館にて現存作家として、二人目の個展「辻村史朗・壺と茶碗」展開催。1月、三越日本橋本店(東京)にて個展(第8回)。
ドイツ・フランクフルトにて、ジャパンアートにて個展を開催(第3回)
2000年
三越日本橋本店(東京)にて絵画展。
11月、阪急百貨店梅田本店(大阪)にて個展。
2001年
1月、三越日本橋本店(東京)にて個展(第8回)。
たち吉本店(京都)にて個展(第4回)。
4月、丸栄(名古屋)にて個展(第8回)。
5月、丸栄(豊橋)にて個展(第6回)。
岡山 天満屋にて個展。2002年
11月、阪急百貨店梅田本店(大阪)にて個展。
2003年
1月、三越日本橋本店(東京)にて個展(第8回)。
たち吉本店(京都)にて個展(第5回)。
ニューヨーク・ギャラリー「古今」にて個展開催。
2004年
5月、丸栄(豊橋)にて個展(第7回)。
2005年
1月、三越日本橋本店(東京)にて個展(第9回)。
たち吉本店(京都)にて個展(第6回)。
2006年
遊ギャラリー パレスホテルにて個展。
ニューヨーク・ギャラリー「古今」にて個展開催。
Axel Vervoordt, De Cluyse, アントワープにて展覧会。2007年
Artempo. Where Time Becomes Art, Plazzo Fortuny, ベネチアにて展覧会2008年
大徳寺芳春院にて個展
たち吉本店(京都)にて個展(第7回)。2009年
ニューヨーク・ギャラリー「古今」にて個展開催。
パリ ギャラリー吉井にて個展。シラク大統領(当時)ら来訪2010年
ベルリン Jablonka Galleryにて個展。
1月、三越日本橋本店(東京)にて個展(第10回)。
たち吉本店(京都)にて個展(第7回)。2011年
ニューヨーク・ギャラリー「古今」にて個展開催。
In-finitum, Palazzo Fortnuy, ベネチアにて展覧会。
Museum Fur Ostasiatische Kunst, ドイツケルンにて展覧会(2012年まで)2012年
フランス、ナンシーGalerie Capazzaにて個展
マサチューセッツ州コンコード Lacoste Galleryにて個展
パリ、Mingei Art Gallery にて個展
良質な紙・墨を求めて、辻村氏が初めて株式会社かみ屋を訪問する。2013年
1月、三越日本橋本店(東京)にて個展(第11回)。
Tapies. Lo sguardo dell’artista, Palazzo Fortuny, ベニスにて展覧会。
オーストラリア ビクトリア Leslie Kehoe Galleriesにて個展。
Axel Vervoordt Kanaal にて個展 (ベルギーアントワープ)2014年
東京アートフェアにて株式会社かみ屋ブースにて辻村史朗展を開催。また同時期に、東京日本橋 かみ屋ギャラリーにて初じめての個展を開催。2015年
東京日本橋 かみ屋にて個展を開催。2016年
東京日本橋 かみ屋にて個展を開催。
Art Fair Tokyo 2016 参加 (株式会社かみ屋)2017年
東京日本橋 かみ屋にて個展を開催。
Art Fair Tokyo 2017 参加 (株式会社かみ屋)
Art Central (香港)参加 (株式会社かみ屋)2018年
東京日本橋 かみ屋にて個展を開催。
Art Fair Tokyo 2018 辻村史朗「白い丸」展 (株式会社かみ屋)
Axel Vervoordt Kanaal にて A way of wabi 個展 (ベルギーアントワープ)2019年
東京日本橋 かみ屋にて個展を開催。
LA ART SHOW参加 (株式会社かみ屋)
Art Fair Tokyo 2019 辻村史朗「黒い丸」展 (株式会社かみ屋)
東京日本橋 かみ屋にて「抽象画・墨」個展
辻村史朗 作陶展(国立京都国際会館)
東京日本橋 かみ屋「伊賀」個展2020年
Art Fair Tokyo 2020では、過去最大規模のブースを用意し、50年に渡る作陶を振り返り、辻村史朗本人が選んだ「辻村史朗選 50盌」を開催予定でしたが、新型コロナウィルスにより中止(展覧会は延期)となる。